三春町の周辺にある境界の奪衣婆
前回は福島県三春町の、彼岸と此岸の境界にある奪衣婆、閻魔像を紹介しましたが、その近辺地域にも多数の事例がありますので、今回いくつかご紹介したいと思います。
福島県田村市
田村市船引中ノ内の墓地手前にある姥神像
三春町の隣にある田村市船引町、小高い丘にある共同墓地入り口に奪衣婆像が祀られています。これもその35※、36※、37※で紹介した、墓地との境界に祀られた奪衣婆と考えられますが、閻魔像はありません。
郡山市安養寺
郡山市安養寺の奪衣婆、閻魔像
郡山市の安養寺入り口にある奪衣婆と閻魔像。お寺の入り口にありますが、他の石仏と一緒に祀られています。しかし、もともとは境界の意味で祀られていたのだと思われます。
郡山市西田町
郡山市西田町木村地区民家奥にある社と参道
郡山市西田町木村地区の奪衣婆、閻魔像
郡山市の西田町木村、民家奥の川原に奪衣婆、閻魔像が祀られています。奥に社がありますので墓地などではないですが、神域との境界の意味で祀られたのかと思われます。
郡山市蒲倉町
郡山市蒲倉町の墓地にある奪衣婆像
郡山市の蒲倉町、新町の共同墓地に奪衣婆の像が祀られています。墓地の敷地のなかに、他の石仏と一緒にまとめられていますので、境界の意味があったのかどうかはわかりません。
郡山市荒井
郡山市荒井町の共同墓地
郡山市荒井町の共同墓地入り口にある奪衣婆像
郡山市荒井町には、丘の上に共同墓地があり、その入り口に奪衣婆像が祀られています。閻魔像はありませんが、田村市の例と同じように墓地との境界に祀られていることは間違いありません。
境界の意味で祀られた奪衣婆たち
福島県は姥神信仰が盛んだったと思われ、各地で多数の姥神像を見ることができます。特に会津地方については地域などで姥神自体を祀っていることが多く、姥神信仰で間違いないと判断できます。
しかし、郡山市などのある中通り地方になると、湯殿山信仰に見られるような境界の意味を持たせた祀りかたが多く、さらに今回紹介したような閻魔像と一緒に祀られ、地獄信仰の奪衣婆像として祀られたものも見ることができ、様々な祀りかたが混在しているように感じられます。
ここから、姥神信仰のなかでも境界の意味で祀ることに特化し、さらに地獄信仰の奪衣婆を同じよう祀っていくようになったと推測されます。
※35
ZIPANG-5 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その35)姥神像は、此岸(この世)と彼岸(あの世)の境界のしるし・・・【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/23858401
※36
ZIPANG-6 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その36)十国峠~信仰の道の境界にある奪衣婆像・・・【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/28421600
※37
ZIPANG-6 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その37)三春町 ~墓地との境界の奪衣婆(だつえば)たち~ ・・・【寄稿文】廣谷知行
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/32095269
次回に続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
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発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
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