時を越え伝える 聖徳太子の和の心
法隆寺とは
推古15年(607)、聖徳太子と推古天皇により創建されたと伝わる、現存する世界最古の木造建築群です。法隆寺地域の仏教建造物として、平成5年(1993)に世界文化遺産に登録されました。
国宝・重要文化財の建築物だけでも55棟に及びます。建造物以外にも優れた仏教美術品を多数所蔵しており、その数は国宝だけで39件・138点、重要文化財を含めると約3000点にもなります。
聖徳宗総本山法隆寺(所在地:奈良県生駒郡、住職:古谷正覚)は、施設の維持管理費用を募るため、クラウドファンディングプロジェクト「世界遺産法隆寺ー1400年の歴史遺産を未来へー」を公開しました。2,000万円を目標に7月29日(金)23時まで、支援を募ります。
コロナ禍における参拝者の激減は、法隆寺の運営に大きな打撃を与えることとなり、何とかその1年を乗り越えようと経費の削減に努めて参りましたが、このコロナ禍は長引き、令和元年度と比較いたしまして、令和2年度の参拝者はその約35%、令和3年度は約50%と厳しい状況となりました。
経費の削減の対象となるのは、やはり人件費のほか、境内整備や未指定宝物の修理などの維持費です。
法隆寺 西院伽藍全景
国宝 五重塔
国宝 夢殿
法隆寺の敷地内には、国指定の国宝・重要文化財55棟を含め、約150棟の建造物が点在し、これらの建物の中には、国の国宝・重要文化財に指定された美術工芸品約2,500点(附指定を含むと約3,000点)が保管されています。
(左)国宝 木造持国天像 (右)国宝 金銅薬師如来像
(左)国宝 金銅夢違観音像 (右)国宝 木造九面観音像
国宝 橘夫人念持仏 (右)国宝 金銅釈迦三尊像
金銅再現壁画-6号壁-阿弥陀浄土(部分)
このような多くの宝物を護持するための維持管理に加え、拝観にお越しいただいた方々に対する環境整備も欠かせず、毎年多額の費用が必要です。これまではその多くを、参拝にお越しいただく方々の拝観料によって賄ってまいりました。
来年、法隆寺が世界文化遺産登録30周年を迎えるに当たり、本年度より経費削減のために先送りにいたしておりました境内整備などに、徐々に着手することといたしました。
そこで今回、世界遺産法隆寺が持つ1400年の歴史をさらに未来へ繋いでいくことを目指し、取引金融機関の南都銀行とも相談し、クラウドファンディングに挑戦いたします。
1400年御聖諱法要 蜂起の儀
1400年御聖諱法要 管絃講
1400年御聖諱法要 管絃講
1400年御聖諱法要 管絃講
矢田丘陵の麓に建立された歴史遺産法隆寺を、その環境とともに将来へ向けて引き継いで行きたいと思っております。
この度、私どもの力不足により、皆様方にご支援をお願いすることとなりましたが、どうか御理解の上、御協力賜りますようお願い申し上げます。 合掌
法隆寺
国宝 中門
国宝 金堂
(左)国宝 木造百済観音像 (右)国宝 玉虫厨子
◾クラウドファンディングプロジェクト概要
・プロジェクトタイトル:世界遺産法隆寺ー1400年の歴史遺産を未来へ
・実行者 :聖徳宗総本山法隆寺
・目標金額:2,000万円
・形式 :通常型/All in形式
※All in形式は目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受け取ることができる形式です。
・公開期間:2022年6月15日(水)10時~ 7月29日(金)23時
・資金使途:施設の維持管理費用
・プロジェクト概要:法隆寺は、現存する世界最古の木造建築群と国宝39件・138点、重要文化財と附指定を含めると約3,000点もの仏教美術品が所蔵され、世界文化遺産に登録されてます。
樹木の管理
境内の清掃
境内全域に設置されている設備等の点検を含むメンテナンス、昼夜における境内の警備、宝物類とその保存施設の維持管理、日常における建造物や宝物の修理、樹木の管理、境内の営繕など広範囲に渡る維持管理費用を募るため今回のクラウドファンディングプロジェクトに挑戦します。
ご挨拶
◾住職 古谷正覚からコメント
法隆寺は聖徳太子の父用明天皇の為に、推古天皇と聖徳太子によって607年に創建されました。しかし670年に焼失したとされ、すぐに再建されたと言われています。とくに西院伽藍は現存する世界最古の木造建築で、1993年には「法隆寺地域の仏教建造物」として日本で最初の世界文化遺産に登録されました。
法隆寺には現在国宝と重要文化財に指定されている、建築物や仏像や美術品などが、約200件伝えられています。
しかしながら、2020年2月ごろより新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大、「新型コロナウイルス感染症対策」の基本方針が決定され、感染の拡大を防ぐため、様々な行事や催し物が中止、各自の行動の自粛が求められ、参拝者が激減致しました。参拝料に頼っての運営をする法隆寺にとりましては、大変に厳しい状況で有ります。ご参拝下さる皆様が激減した今、修理・保存にかかる費用の捻出が大変難しくなりました。
そこで貴重な文化財を未来に伝え残す為にも、クラウドファンディングによって運営資金を募ることといたします。皆様方のご支援をお願い申し上げます。
法隆寺 住職
古谷正覚
リターンのご紹介
●供養札
ご支援をいただいた方のお名前を書いて、百済観音像(飛鳥時代、国宝)の足下にある奉経室に納めさせていただきます。
寺院では勧進と云って、仏堂の建立や仏像の造顕や修理などを行うために、多くの人たちの協力を得て行う事業があります。その事業に協力した人たちの寄捨結縁を示すのが供養札です。また財力がなくても分け隔てなく簡単に行える像造供養のひとつに、仏・菩薩等の姿を紙に捺した印仏があります。今回の供養札には、平安時代の印仏(千体仏の一体)をいただいております。皆様方の善行功徳を記した供養札は、大宝蔵院百済観音堂にお祀りする百済観音像の足下にある奉経室に納めさせていただきます。
●限定御朱印
法隆寺のご本尊、金堂の釈迦三尊像を梵字で顕した御朱印です。文字は光背の裏面に刻まれた「尺寸王身釋像」、聖徳太子と同じ身丈の釈迦像であるという意味です。
聖徳太子がご病気になられたときに、そのご病気の回復を願って聖徳太子と同じ身丈の釈迦像を止利仏師に造らせた、しかしそれが叶わないときは、浄土に登り早く妙果を得られるように、という願いなどが光背の裏に刻まれています。結局、聖徳太子はこの像が完成する前にお亡くなりになり、この釈迦像は聖徳太子ご自身として、篤く信仰されることとなります。
●御朱印帳(限定御朱印入り)
聖徳太子「十七条憲法」第一条の版本(鎌倉時代の板木、重要文化財)を扉に印刷した法隆寺オリジナルの御朱印帳です。
●散華
法要の際に仏を讃嘆し供養するために撒く花で、蓮弁形の紙に図柄などを施して作ったものです。
散華 再興100年「和」(3種3枚組)<完売>
明治維新によって退廃した法隆寺が、再興に向けて法相宗独立の認可を得たのが明治15年。丁度、百年目にあたる昭和57年に、諸先徳の偉業を讃える法要を勤修。この散華は、その時に聖徳太子の「和」の字に、再興に功績のあった佐伯定胤和上と佐伯良謙和上の「和」の字を加えて作成したものです。
散華「1360年」安田靫彦画伯・前田青邨画伯・平山郁夫画伯筆(木版刷り/3種3枚組)
昭和56年の聖徳太子1360年御聖諱法要用に、金堂壁画模写に功績のあった画伯に依頼して木版で作成した散華です。
散華「昭和大修理」吉岡堅二画伯筆(木版刷り/5種5枚組)
昭和9年から始まった法隆寺全伽藍に及ぶ大修理が昭和60年に完成。それを祝う法要用として、金堂壁画模写に功績のあった吉岡堅二画伯に依頼して作成していただいた木版の散華です。
散華「吉田画伯」<6/16追加><完売>
この三枚一組の散華は、日本画壇を代表される吉田善彦画伯の作品です。いずれも飛鳥・白鳳の法隆寺を髣髴させるものがあり、法隆寺を愛でられる画伯ならではの素晴らしい散華です。
●赤膚焼 白ぐい呑 <完売>
法隆寺伝来の「鳳凰丸」紋を器の見込みに模様としてあしらったぐい呑みで、高台脇に赤膚焼大塩昭山の落款が押されています。
●特別拝観
平素公開していない上御堂(鎌倉時代、重要文化財)の堂内などを含め、寺僧がご案内いたします。
●寺僧による法隆寺の特別案内・奉納鏡奉納
重要文化財指定の西園院客殿にて、松喰鶴の図円鏡(平安時代後期)の複製に願いを刻み込んでいただき、奈良時代の創建と伝えられる西円堂のご本尊「国宝薬師如来像」に御奉納いただきます。続いて寺僧が境内のご案内もさせていただきます。
日本における仏教寺院への鏡の奉納は、仏教が伝わった頃から行われていたとされ、奈良時代の『法隆寺伽藍縁起并流記資財帳』にも鏡の奉納記録がみられます。
また鏡は仏舎利を塔に奉安するときの荘厳具としても使用され、法隆寺五重塔にも埋納されています。
法隆寺の西円堂では、本尊の薬師如来(奈良時代、国宝)に除病延命や身体の健全など、現実的な加護を願って多くの鏡が奉納されております。このように鏡は、自らの願いを託すものとして、特別な扱いがなされて来たといえます。
このたび御奉納いただく鏡は、西円堂に奉納された日本製の鏡「和鏡」の中で最も古い、平安時代後期の松喰鶴の図円鏡の複製となります。
●古材台(焼印入り)
法隆寺の主要建造物の創建当初の部材ではなく、各時代の修理において付加された木材で、昭和の大修理の際に取り除かれた廃材を台として加工したものです。裏に法隆寺の古材であることを示すために焼印を押しています。
●南無仏太子像(博多人形)
聖徳太子が二歳の春に東向いて、「南無仏」と唱えられたという説話に基づいて造顕された像で、平成3年の聖徳太子御忌の記念品として、博多人形師中村信喬先生に作成していただいた像です。台座に古材を使用しています。
聖徳太子が二歳の春、2月15日のお釈迦様涅槃の日に東向いて「南無仏」と唱えられた時、合掌された手中から舎利が現れたという説話に基づく像。
平成3年、聖徳太子がお亡くなりになって1370回忌に当たる御忌法要の記念品として、当時、日本工芸会正会員人形師の中村信喬先生に作成いただいた像です。
台座には、かつて法隆寺の建造物に修理用後補材として使用されていたが、昭和大修理において取り除かれた古材を使っています。
●百万塔(複製)
奈良時代に造塔の功徳を願って、称徳天皇が発願された百万塔を、同じ材質の桧で同じ大きさに作製した模造。底裏には法隆寺の焼印を押しています。
天平宝字八年(764)に藤原仲麻呂(恵美押勝)の乱を鎮圧した後、称徳天皇が発願して三重小塔百万基を造らせ、十大寺に十万基づつ納めたのが百万塔です。
これは造塔と陀羅尼の書写によって、延命や滅罪等の功徳を願うもので、塔の中には、その功徳を説く『無垢浄光大陀羅尼経』が納められております。伝存したのは法隆寺だけで、四万六千基余り保管しています。
●侍者像(複製)
五重塔初重東面に配置された塑像(国宝)の中の一体で、昭和57年に就任した当山管主の晋山記念の品として制作された模造です。
五重塔の初重内部は、心柱の四隅に立つ柱を囲むように塑土で須弥山を洞窟状に築き、東西南北の四面に和銅4年(711)に造顕された塑像の群像を配置して、仏伝世界を表しています。
その東面は、『維摩経』に説かれる維摩詰の方丈での問答の様子を、維摩詰と文殊菩薩の像のほか、二菩薩と十二体の侍者像などによって表現しています。この侍者像は、その十二体の内の一体です。
ご注意事項
●ご支援確定後のご返金やキャンセルはご対応いたしかねますので、何卒ご了承ください。
●ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。
●銀行振込にてご支援いただく際、返金先口座情報をお伺いいたしますが、All-inのため原則返金はいたしません。ただし万が一ページで約束していたプロジェクトを実施できなかった場合や、振込金額が予約金額より超過している、もしくは不足しており追加で振込まれない場合に返金先口座を利用いたします。お手数ですがご入力をお願いいたします。
●本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、こちらのページの「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
●団体の性質上、本プロジェクトは通常型であり寄付金控除型ではないため、税制上の優遇措置を受けることはできません。あらかじめご了承ください。
プロジェクト実行責任者:法隆寺管長 古谷正覚
プロジェクト実施完了日:2023年7月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
法隆寺の維持管理にかかる費用、その他諸経費として使用させていただきます。
達成の御礼と今後のご支援について
この度は法隆寺のクラウドファンディングを応援いただきありがとうございます。
皆様からの多大なるご支援により、支援募集開始の翌朝という予想もしていなかった早さで、第一目標金額の2000万円を達成することができました。
これほどまでの反響をいただけるとは思っておらず、一同大きな驚きと共に、法隆寺を大切に想ってくださる皆様の存在、お気持ちを改めて感じ、感謝の念に堪えません。誠にありがとうございます。
クラウドファンディングの期間は7月29日まで続きます。皆様からいただくご支援は、法隆寺の広範囲におよぶ通常の維持管理に加え、今後、未指定宝物の修理や、境内の営繕も視野に入れて、大切に使わせていただきたいと考えております。
残りの期間、今回の取り組みを更にお一人でも多くの方に知っていただき、応援してくださる皆様とのご縁を結ぶことができますよう願っております。引き続きのご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。合掌
2022年6月16日追記 法隆寺
編集後記
法隆寺さんのクラウドファンディング、支援募集開始の翌朝にすでに第一目標金額の2000万円を達成の朗報が飛び込んできました。聖徳太子という日本の指導者がご創建されたご寺院ということもありましょうが…これを機に全国の村や町の小さな小さな忘れかけられた祠(ほこら)や神社、お寺の歴史など、その意義を改めて見直す良い機会ではないでしょうか・・・
世界が混沌とした現代に生きる私たち、聖徳太子が遺して下さった『時を越え伝える和の心』こそ大切にしていきたいですね。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
法隆寺
紅山子(こうざんし)
クラウドファンディングサービス
READYFOR株式会社〒102-0082 東京都千代田区一番町8 住友不動産一番町ビル 7階
電話:050-1744-8650
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アーカイブリンク記事ご覧ください。
ZIPANG TOKIO 2020「法隆寺金堂焼損壁画の記憶 ー愛知県立芸術大学創立50年に寄せてー」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2231387
ZIPANG TOKIO 2020「日本で最初の世界文化遺産 法隆寺 平成二十八年度秋季秘宝展開催(~11月30日(水)まで)」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1519471
ZIPANG-5 TOKIO 2020「日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵」の開催について【文化庁】 「木のくせ組むには人を組め」 宮大工 西岡常一
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/14157255
市域には数多くの古墳が残されています。なかには渡来系の構造を持つ古墳もあり、古くから大陸の影響を受け入れてきました。また、聖徳太子の伝承を持つ寺社が日本で一番多く、天台寺院や渡来人との関わりがうかがえます。
ZIPANG-6 TOKIO 2020 東近江秋祭り2022を考えるための意見ボックスの設置! & わんぱく相撲滋賀県大会について(公社)東近江青年会議所
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/32636872
ZIPANG-5 TOKIO 2020 みろく - 終わりの彼方 弥勒の世界 - 展【東京藝術大学大学美術館】
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/20164676
山形県白鷹町の奥まった地区にひっそりと佇む、元古志王族の祠(©紅山子)
ZIPANG-2 TOKIO 2020「山の向こうのもう一つの日本【寄稿文】紅山子」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/4539875
※現在、1700件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。
最新の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/
最近の記事をご覧いただけます。
ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/
250件ほどの記事をご覧いただけます。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/
235件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/
200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/
615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。
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