栃木県の那須塩原市
塩原温泉の観光施設「湯っ歩の里」
日本百名山の一つ、那須岳の麓にある栃木県那須塩原市。同市の塩原温泉郷は大同元(806)年に如葛仙という人物によって開湯されたと伝えられ、約1,200年の歴史がある温泉地で古くから多くの人で賑わっていました。
温泉街のなかには観光施設として湯っ歩の里があり、日本最大級の60メートルの足湯があるほか、敷地内が公園になっており、それぞれの季節の風景を楽しみながら散策することもできます。
また、塩原温泉郷のひとつ、畑下温泉には尾崎紅葉が「金色夜叉」を執筆した旅館、精琴楼(紅葉宿泊当時は佐野旅館)もあり、宿泊はできませんが使われた部屋は紅葉の間として保存されています。
歴史ある嶽山箒根神社
箒根神社 遥拝殿
箒根神社奥の院入り口の鳥居
箒根神社奥の院
箒根神社奥の院社殿
同市宇都野にある箒根神社は非常に古い歴史を持ち、その創建は崇神天皇の時代(紀元前97~30年)だとされます。オオナムチ命、コトシロヌシ命、イザナギ命などを祀り、元慶元(877)年には、従五位下の位階を授けられています。
大正5年には高清水神社などを合祀して村社嶽山箒根神社となりました。もと高清水神社を遥拝殿とし、ここから箒根山へ8キロほど登った、八方ヶ原近辺に奥の宮があり、立派な社殿を見ることができます。この社殿についても文久2(1862)年に建立されたものらしく、同市の指定文化財になっています。社殿は3つあり、中心が本殿、向かって右が日光山神社、左が熊野神社です。
参道案内の石碑
ほかにも参道入り口には案内の石碑が残っているほか、現在も地域で毎年11月に例大祭が催されていることなどから、その信仰の大きさをうかがい知ることができます。
奥の宮の奪衣婆像
神社への橋とお堂
お堂のなか
奪衣婆像
奥の宮の鳥居から少し先、橋の手前にお堂があり、この中に奪衣婆像が祀られています。穏やかな表情をしていますが、片膝を立てているところや乳房をあらわにしていることから奪衣婆で間違いありません。奪衣婆は地獄において三途の川のほとりにいますので、橋のある川は三途の川の見立てだと考えられます。隣には奪衣婆と同じく三途の川のほとりで子供を救うとされる地蔵尊のような像もありますが、もしかすると懸衣翁の見立てなのかもしれません。
ここでは同神社の神域との境界として三途の川そして奪衣婆像があることとなります。これは姥神信仰において女人禁制などの場所との結界の意味で姥神を配置することと同じことです。もしかするとこの神社でも女人禁制の意味もあったかもしれません。
この箒根神社の奪衣婆像についても、姥神信仰の影響があったと考えられます。
次回に続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
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発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
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