ZIPANG-6 TOKIO 2020 仏像造りに参加することによる功徳とは・・・!【讃岐国分寺】(その1)

四国霊場第八十番札所であり、国の特別史跡にも指定されている讃岐国分寺(所在地:香川県高松市国分寺町2065番地、住職:大塚純司)は、弘法大師空海が1200年前に造立し、500年前に戦乱で焼失した大日如来像を、東寺の寺誌である『東宝記』(国宝)の記録に基づき、史上初の完全再現に取り組んでいます。


大日如来坐像(完成前)


大日如来坐像(完成イメージ)


■プロジェクトのきっかけ 当山は2013年に現代彫刻家の大森暁生氏に依頼し、このプロジェクトを開始しました。きっかけは讃岐国分寺に参拝に訪れた重度の障がいをもつ娘さんとそのご両親でした。

参拝中も眉間にしわを寄せて苦悩する父親の表情を見て、その眉間のしわを消すような寺院ならではの感動を提供したいという思いから、空海の仏像再現を思い立ち、これまで足かけ9年間団体客へ口頭で仏像造りの説明をして寄付を募る勧進によって仏像制作を進めてきました。

現在の完成度は9割ほどで、制作はまさに今、クライマックスを迎えています。


■プロジェクトの特徴と社会的意義

空海が1200年前に東寺に造った大日如来像の特徴は、寺誌『東宝記』(国宝)に記録されています。その特徴とは、




1. 蓮華座の下に八頭の獅子を置く、
2. 光背に金剛界三十七尊を備える、
3. 五仏を十字形に配する冠を戴く、というものです。

これらの特徴を全て備えた像はこの世に一体も現存しません。この独特の仏像の姿には、空海が唐から持ち帰った最先端の密教思想と、日本の平和と人々の幸福への切なる願いが込められています。この仏像はいわば、空海の精神の純粋な結晶なのです。


仏像は、多くの人々が力を合わせて造ることにこそ、その本来の意義があります。
聖武天皇は疫病を鎮め国民が安穏に暮らせるよう、全国の人々に協力を呼びかけて、各地の国分寺と奈良の大仏を造りました。

空海も同じく、東寺や高野山に護国安民への祈りを込めた仏像を数多く造りました。奇しくもコロナ禍の真っただ中で、疫病の終息と人々の平穏な日常の回復を目的として取り組む仏像造りは、聖武天皇と弘法大師の理念の再現です。


制作には、現代日本の彫刻界を牽引する若手実力者、彫刻家 大森暁生が当たっています。
氏は彫刻家の籔内佐斗司氏のアシスタントを経て独立、その類稀な造形力は多くのファンを獲得、今や押しも押されもせぬ彫刻界のトップランナーの一人です。


パラミタミュージアムにおける回顧展の様子


その大森暁生氏は現在、三重県のパラミタミュージアムにて作家人生25年を振り返る大規模な回顧展を開催中であり、同展にて現在制作中の大日如来像の台座に据える八体の獅子像を出展中です。

同獅子像は八大明王の変化身として制作したもので、八大明王の完全立体化は仏教彫刻史上、初めての挑戦です。


この度、そのためのご支援をクラウドファンディングサイト「READYFOR」にて
2021年11月19日から2022年2月17日まで募集中です。


讃岐国分寺大師堂の弘法大師像.


仏像造りに参加することによる功徳


仏像は、時の権力者や僧侶の独断独力によるのではなく、広く一般社会に生きる人々の力を合わせて造ることにこそ、本来の意義があります。

全国に国分寺を建立された聖武天皇は、奈良の大仏の造立に際して「一枝の草、一握りの土を持ちて像を助け造らん」(743年「大仏造立の詔」『続日本紀』)と、ひろく人々に呼びかけました。同時に、その功徳によって「万代の福業を修めて動植ことごとく栄えんことを欲す」とも仰っています。

つまり、仏像造りは永久なる幸福をもたらす善業であり、その功徳によって動物も植物も、生きとし生けるものすべてが栄えるように、と強く願われたのです。

また、弘法大師は次のように仰っています。「仏塔や仏像を造ることは福徳の行いであり、仏となるために欠かせない功徳を満たして悟りを得ることができる。伏して願う。広く世間の人々よ、たとえわずかなりとも金銭や食料を持ち寄って、その功徳の行いをともに成しとげよう。

そうすればこの事業もたちまち成就し、それによって生じる功徳は永久不滅かつ広大無辺のものとなるだろう。」(834年「勧進して仏塔を造り奉る知識の書」『遍照発揮性霊集 巻第八』)

今回の仏像造りは聖武天皇と弘法大師のお心にならうものです。お二人に共通するのは、一般社会に生きる大勢の人々と、ともに力を合わせて仏像造りを成し遂げようという揺るぎない決意と、それによって、苦しむ人々を救済したいと願う慈悲の心です。

仏像造りに参加することは、永遠の未来世にまで及ぶ善業であり、その功徳は永久不滅かつ広大無辺のものである、と弘法大師は仰られています。



讃岐国分寺住職大塚純司プロフィール:

1972年香川県生まれ
香川県立高松高校卒業
富山大学大学院人文科学研究科文化構造研究修了(専攻は古代史/考古学)
1999年一宮寺道場において戒師堀智範阿闍梨に従い得度
2002年仁和寺道場において堀智範阿闍梨に従い西院流加行
2002年仁和寺道場において堀智範阿闍梨に従い西院流伝法灌頂入壇
2019年5月1日真言宗御室派管長瀬川大秀猊下より讃岐国分寺住職及び少僧正(現級)を拝命   



お問い合わせ先

讃岐国分寺

担当 : 住職 大塚純司
電話 : 087-874-0033
E-MAIL: ot@jun.email.ne.jp 



三重県 パラミタミュージアム
大森暁生氏の作家人生25年を振り返る回顧展開催中!



次回に続く・・・



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使


協力(敬称略)

讃岐国分寺 〒769-0102 香川県高松市国分寺町国分2065番地 電話:087-874-0033



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ZIPANG-6 TOKIO 2020

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