ZIPANG-6 TOKIO 2020 日本の魂が世界をつくる ❣…

~日本人の心で世界をみる~


 〈suzusan〉C E O兼クリエイティブディレクター 村瀬 弘行 (Hiroyuki Murase)
ドイツ・デュッセルドルフ ファクトリーショップの前で・・・


デュッセルドルフ オリジナルブランドブランド〈suzusan〉アトリエにて


デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉アトリエにて


デュッセルドルフ アトリエにて デザイン…勿論、手仕事は有松鳴海絞りの基本です…



デュッセルドルフは古い町並みが保存された地区もありユーゲントシュティール(フランスのアールヌーボーと同一の意味)のインテリア・工芸のレストランやカフェが軒を並べている…ドイツの中に拠点を置く日本企業はデュッセルドルフが一番多く、情報の交差点でもあります。

40年程前に訪ねた折にはウインドウショッピング(平日は、夜間にウインドウを見て品定めをして休日に買い物をする…)が盛んであったが、インターネットの発達もありコロナ禍においては、日本同様少々事情が変わってきた…しかし、「suzusan」では、実際にデザインや色を見て、手に触れて楽しみながら購入したいというお客様が多いようです。

隣町ケルンには、大聖堂やフランクフルトと並ぶ国際見本市会場、ケルンの水(オーディコロン発祥、但しイタリア・フィレンツェから移住した香水職人によりレシピは考案された)インテリアマート、巨大住宅展示場(有料)などもあり見どころの多い土地であります。



有松鳴海絞り デュッセルドルフ〈suzusan〉ショップ&アトリエ

デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉ショップ&アトリエ 外観


デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉ショップ入口 ディスプレイ


デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉ショップ ロゴ


デュッセルドルフ オリジナルブランド 〈suzusan〉ショップ インテリア

デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


デュッセルドルフ オリジナルブランド〈suzusan〉ショップ インテリア




有松鳴海絞り 有松〈suzusan〉ファクトリーショップ

 

有松 有松鳴海絞り 古今折衷 焼杉の千本格子の外観が特徴的な〈suzusan〉工房


かって近江(滋賀県)の町や村を廻ると大工さんはトタン屋根の作業小屋でドラム缶に火を焚いて杉板の両面を丁寧に焼いていた…当時案内してくれた八日市の魚住さん、彦根の箕浦さん、木之本の高橋さん、膳所の中川さん、高島の速水さん、甲賀の三浦さん…50年位お逢いしてませんが皆さんお元気ですか・・・

焼杉は滋賀県以西で外壁などに使用される伝統技法になり、杉板の表面を焼くことにより耐久性が増すのです。


有松鳴海絞り〈suzusan〉を支えるスタッフの皆さん。まだまだおられますが・・・


有松の町の中で工房から徒歩5分の距離にある、有松鳴海絞り〈suzusan〉ファクトリーショップ。まだミラノコレクションが存在しない頃、イタリア・ミラノ郊外のコモ(湖)で観たファクトリーショップより遥かに美しい・・・


是非オリジナルブランドショップ〈suzusan〉に足を運んでみてください!


有松鳴海絞り〈suzusan〉ファクトリーショップ 村瀬 弘行 作品


オリジナルブランド〈suzusan〉シーズンに応じてデザイン、色、素材が変化。



有松鳴海絞り



〈suzusan〉のルーツは愛知県を走る東海道沿いの小さな町、有松にあります。この絞り染めの産地で村瀬家は代々伝統を守り続けてきました。


有松鳴海絞り 伝統の手仕事ー1


有松鳴海絞り 伝統の手仕事ー2


有松鳴海絞り 伝統の手仕事ー3



世界中のライフスタイルに合う商品を


現在5代目になる村瀬家は、古(いにしえ)の技を今に伝えるだけでなく、類稀な文化遺産として未来に繋げるべく、受け継がれて来た無限の情熱と熟練の精細さと共に一つ一つ手仕事により日々新たな伝統を作り出しています。


日本の生活様式の変化によって半世紀以上にわたり続いて来た伝統の衰退に対し、Suzusanは革新的なプロセスと現代的なデザインを用いることによって、絞りの技術を現代に結び付ける挑戦を続けます。


有松の町                             Ⓒ 日原もとこ


名古屋市内を抜ける東海道沿いにたたずむ町、有松。この小さな町で suzusanの前進である『鈴三商店』は、400年以上にわたり、この地方に伝わる染色技法である有松鳴海絞りを営んできました。


括る、縫う、といった素朴な仕事を通して、浴衣や着物などにその培われた繊細な文様を咲かせてきたのです。


昔は分業制で、母から娘へ、父から息子へ受け継がれて来た絞りの技術は最盛期には100種類以上の技法を生み出すまでになり、この小さな宿場町は1万人以上の職人でにぎわいました。


こういった染色技術はアフリカ大陸、インド、南アメリカなど世界の他の地域でも行われていますが、一つの地域にこれだけの豊富な種類の技法が作られた例は他にありません。


しかし時代の変化とともにこの繊細な技術も衰退をたどり、かつてのにぎわいは今では200人を満たないまでに減少。ひとり一技法の仕事で半分以上の文様がこの世から既に姿を消してしまいました。


絞りを営む家系に生まれ 5 代目にあたる村瀬弘行は、アーティストを志し、20歳で留学。


日本から距離を置いて見返したとき、家で営まれてきたものづくりが世界的にも類い稀な技術であることに気付き、その技術や技法が衰退・消失していく様を目の当たりにします。



村瀬は独学で絞りをはじめ、2008 年にドイツで会社を設立。それまでの下請け業を軸とした家業の形態を、オリジナルブランド『suzusan』へと大胆にシフトさせました。


オリジナルブランド〈suzusan〉有松鳴海絞り ショール


日本の伝統技術をル―ツとし 先人らの叡智を受け継ぎながらも、[世界中のライフスタイルに合う商品を]というコンセプトのもと、風通しのいいデザインを心がけています。


アルパカやカシミヤなど、これまでは絞りでは通常使われなかった素材を用い、ストールをファッションに、照明をインテリアの分野まで展開を拡大。


オリジナルブランド〈suzusan〉照明

 

オリジナルブランド〈suzusan〉照明


オリジナルブランド〈suzusan〉照明


オリジナルブランド〈suzusan〉照明


オリジナルブランド〈suzusan〉照明


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション


オリジナルブランド〈suzusan〉ホームファブリックコレクション



その後ファッションは既製服全般を企画製造し、照明、ホームファブリックコレクションの 3 つのカテゴリーを展開しています。


現在では 23 カ国以上で販売され、ファッションではパリの L’eclaireur やミラノの Biffi、インテリアではロンドンの Conran Shop など世界の名だたるブティックやセレクトショップで suzusan の商品が展開されています。


また、2012 年秋冬より、パリのファッションウィークにて展示会形式により展開をはじめ、その後パリとミラノで毎シー ズン継続してコレクションを発表。2014 年には英 Financial Times 誌が選ぶ、今後の活躍を期待する日本人デザイナー の4人に村瀬弘行が選ばれました。


2013年には、フランスを代表するラグジュアリーブランドのオートクチュールコレクションに絞りの生地を提供。Lacoste、Yohji Yamamoto やChristian Wijnants とのコラボレーションなどを手がけ、2016年には L’eclaireur が手がけたプロジェクトの 15 人のデザイナーに村瀬弘行が選出されるなど多岐にわたり活動を 広げています。



〜デザイナー〜

村瀬 弘行 (Hiroyuki Murase)



プロフィール

株式会社スズサン / suzusan GmbH&Co.,KG 代表取締役C E O兼クリエイティブディレクター。名古屋芸術大学テキスタイル学科客員教授。

1982年名古屋市生まれ。2003年に渡欧、サリー美術大学(イギリス)を経てデュッセルドルフ国立芸術アカデミー(ドイツ)にて立体芸術及び建築学科卒。2008年在学中にデュッセルドルフで『suzusan e.K.(現suzusan GmbH & Co. KG)』を設立し、オリジナルブランド『suzusan』の生産・販売を開始。ファッションとホームインテリア(クッションカバー、ブランケット、照明)でのデザインのディレクションを手がける。鈴三商店の5代目として有松鳴海絞りを次の世代につなげる活動も行っている。


コメント


20歳で日本を出て今年で39歳になるので、もうすぐ人生の半分を祖国以外の場所で過ごしているという事実に先日 気がついてふと驚いた。全くあっという間で自分でも実感がないのだが、振り返ってみるとこの19年間は色々な場所に行き続けた。そこでみた風景や出会った人たち、触れたものが今の僕の血肉になっているし、これからもそうだと思う。


何かを発見することは考え抜いて出てくることもあるけれど、日々繰り返す動作から離れることで得られる発見の方が 多いし、普段全く考えてもいないようなアイデアも出てくる。


新しい土地に着くと眼はころんと入れ替わり、知らない 道を歩く足の裏に踏みなれない石畳を感じ、初めて食べるものを口にして舌から笑いが込み上げてくる。そういった経験の振り幅を増やすことが旅の醍醐味だと感じている。


タラソテラピーの聖地 フランスにて


人はここじゃないどこかを目指して旅をする。

東海道を歩いた弥次喜多は当時の有松を通ったのだろうと思いを馳せ、子供の頃テレビで観たインディー・ジョーンズ、 少し大人になった頃に観たフォレスト・ガンプなんかは冒険する興奮と、旅の中で成長する意味を画面から伝えてくれた。


サン・テグジュペリは星を旅する王子様と一緒に本当に大切なものを探していたし、現代に目を向けると住み慣れた土 地を追われながらその先にある土地を目指し僅かな希望を旅路に託す人々もいる。夜空を見上げて遠い星への旅路に思 いを馳せる人々も。

そこには困難や挑戦もあり、予測のつかないことが待っている。道に迷うことも、暗闇で躓くことも。 Life is a journey とはよくいったもので、人は常に旅の途中にいるのだ。

僕らは再び旅に出よう。スケッチブックと好きな音楽とパスポートを鞄に入れて、しばらく止まっていた時間の中で、 忘れていた空気と感情を取り戻しに。朝の霧の中を踏み出すように。



古今折衷〈suzusan〉



ドイツ・デュッセルドルフで生まれ、地元名古屋市有松で400年の絞りの文化を受けつぎながら常に進化し続けるオリジナルブランド〈suzusan〉。



ドイツ でデザインされるアートを彷彿させる手仕事ならではの柄や、にじみによるカシミヤ ニットをはじめ、彩色豊かなストール、肌触りの良い極寒地方の毛を使ったHOME コレクション、立体形状の照明などラインナップを取り揃えました。



手仕事による20から90代の職人技×国内外の上質素材×ヨーロッパのエッセンスで作られた逸品は海を超え、現在では約23カ国以上の国の人々に愛されています。 ぜひ有松・ファクトリーショップでその感触をお確かめください。




ファッションデザイナー
やまもと寛斎氏との想い出


                       Ⓒ鎹八咫烏


1971年ロンドンで開催された日本人として初めてのファッションショー
「kansai in london」は、大変に強烈で、新鮮で、文字通り目を見張るものであった。

1988年(昭和63年)2月名古屋においてデザインについてお話を伺った時の内容の一部ですが、この機会にご紹介したいと思います。


🐦服をデザインされる時のデザインの原点というか、発想の基本はどこにあるのでしょうか?

寛斎氏 とても答えづらい質問ですね…あえて言うならば、気分の良いときのなんとも形容し難い、例えばスカーとか、フゥーという時の気持ちの良さ、これにアプローチしていきたいと考えていまして、それが発想の原点、言ってみれば、心象にタッチする方法の一つとして服を作っています。

洋服っていうのは、心象を目に見える形に表せる最も単刀直入な手段でしょう。


🐦なるほど、感性へ働きかけるデザインですか!

寛斎氏 心とか、感性とか、そういったものは言葉での定義ができませんね。そんな形がないものを捉えることを仕事としているわけです。だから、とにかく好きなものしか創らない、という姿勢でやっています。

うちのスタッフにも「好きなもの、納得できないもの以外は創るな、妥協するな。」と常に言っています。


お話し戴いたほんの一部分ですが、機会がありましたら、いつか続きをご紹介したいと存じます。



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使


協力(順不同・敬称略)

株式会社スズサン 〒458-0924 名古屋市緑区有松3730 電話 052-693-9624

紅山子(こうざんし)



アーカイブリンク記事をご覧ください。



ZIPANG TOKIO 2020「染まらないものこそ美しい 職人の町・有松絞りの美意識が作った町並景観 」・・・寄稿文 日原もとこ
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1561124



ZIPANG-3 TOKIO 2020 まゆはきを悌にしてべにのはな ~芭蕉~紅花の本場、谷地の「べに花まつりは、浴衣美人が映える半夏生の頃・・・(第三話)」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5935889


山寺「宝珠山 立石寺」にて芭蕉翁と曾良の像(山形)
閑さや岩にしみ入る蝉の声(『おくのほそ道』より)


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~ 最上川とべに花物語 ~「行く末は 誰が肌ふれむ 紅の花【松尾芭蕉】・・・ (第四話)」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5960062


奄美泥染め 古代天然染織工房 金井工芸


ZIPANG-4 TOKIO 2020 古代染色奄美大島紬&琉球の彩りあふれる染織物
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8296756


『飛騨染』寒ざらし 雪の中素手で行う作業は辛い、それでも高山祭で着る男衆のために…


ZIPANG TOKIO 2020「高山祭や神社の祭礼を彩る 飛騨高山伝統の『飛騨染』寒ざらし」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/1948304


ZIPANG-5 TOKIO 2020 ~古今折衷~ 京都 西陣織 「細尾」の哲学とは!
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ZIPANG-5 TOKIO 2020 ~古今折衷: HOSOO GALLERY~ ” Ambient Weaving ⇋ 環境と織物”展と建築
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ZIPANG-4 TOKIO 2020和洋技術を駆使した木骨レンガ造の建造物・「旧富岡製糸場 繰糸場」は国内養蚕・製糸業を世界一の水準に!
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ZIPANG-5 TOKIO 2020 古今折衷 津軽デジタル風土記 ー ねぷたまつりと北斎 ー その邂逅への経緯 (二)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/17336141


ZIPANG-5 TOKIO 2020 古今折衷「津軽デジタル風土記」 〜 新形式で後世に残すねぷた絵DNAの継承~(三)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/17397380


ZIPANG-5 TOKIO 2020 染色界の先端師~のこり染め~あなたはご存知でしたか ⁉
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/17644743


ZIPANG-5 TOKIO 2020 昭和の建築 丹下健三氏設計の初期作品「墨会館・小信中島公民館」一宮市より
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/17769907


民族衣装の色鮮やかなこと・・・小麦色の肌によくお似合いです…


スリランカ「ろうけつ染め」の工房 制作する女性たち

ZIPANG-4 TOKIO 2020 日本初!若しかすると世界初⁉ コロナも顔負け! “あうたび” スリランカオンラインツアー開催
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/8277862



※現在、1800件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


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ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
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ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
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ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
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ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
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200件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
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615件ほどの掲載記事をご覧いただけます。

ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/

ZIPANG-6 TOKIO 2020

これまでの、日本の精神文化と国土の美しさについて再発見に加えて その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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