ZIPANG-6 TOKIO 2020【武蔵野美術大学 美術館・図書館】展覧会「みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ」開催と~倉俣史朗~「倉俣以前・倉俣以後」

Chairs for All: Musashino Art University and Design Ⅶ


会期:【前期】2022年7月11日(月)〜8月14日(日)、【後期】9月5日(月)〜10月2日(日)


倉俣史朗

                                撮影:鎹八咫烏

プロフィール

1934年東京生まれ。東京都立工芸高校木材科を卒業後、帝国器材家具工場に入社。
1956年桑沢デザイン研究所卒業。三愛宣伝課を経て、松屋インテリアデザイン室に嘱託。
1965年クラマタデザイン事務所設立
1972年毎日産業デザイン賞受賞
1981年日本文化デザイン賞受賞



画像:倉俣史朗 《ミス・ブランチ》 1988年
武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵 撮影:佐治康生


武蔵野美術大学 美術館・図書館では、「みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ」を開催します。


当館は1967年の開館以来、コレクションの柱の一つとして近代椅子を収集してきました。現在所蔵数は400脚を超え国内有数の規模を誇ります。

本展は、この中から精選した約250脚の近代椅子を当館の1階2階の全フロアに展開し、コレクションの全容を紹介するとともに、近代椅子デザイン史を俯瞰する、当館にとって初めての試みとなります。

会場内に並ぶ一脚一脚の椅子には、素材や技術をはじめ時代、地域、思想の背景があり、これらの椅子を座り比べることで、それぞれの椅子の特長と椅子デザインの変遷を体感する機会となることでしょう。


図版1.展覧会場イメージ


Point.1 座って比べる名作椅子

わが国の美術館において椅子がまだ収集対象として認識されていなかった1960年代、本学工芸工業デザイン専攻の初代主任教授であった豊口克平(1905〜1991)をはじめとした教員陣による「プロダクト・デザインを学ぶ者にとって椅子は格好の教材である」との提言が端緒となり、当館の椅子コレクションはスタートしました。

以来、本学では実際にコレクションに座ることで椅子の機能・座り心地、デザイン等を学ぶ講義が開講されています。当館のこうした収集、利活用方針を反映し、本展においても、展示会場でより多くの椅子に座り、五感で椅子を楽しんでいただきます。

※資料保護の観点から、一部の展示品にはお座りいただけません。


Point.2 メディアとしての椅子

ある椅子が名作と評される根拠は、新開発の技術、その土地固有の素材、その時代の社会情勢、芸術潮流やデザイン運動との関係、さらにはデザイナーや建築家の特性を色濃く反映したフォルム等、多岐にわかれます。

またある椅子が時代を象徴する作品や広告に登場することで、長く人々の記憶に残ることもあります。これらのことが示す通り、名作と呼ばれる椅子は単なる家具に留まらず、時として様々な情報を帯びた「メディア」となります。

そこで本展の特設サイトと会場内映像では、メディアとしての名作椅子に着目し、名作椅子のメディア機能についても考察します。


Point.3 デザイン史を体感

本展ではデザインの歴史的変遷を軸に据え、近代以前から現代に至るまでの椅子を全10章に分け展覧します。

近代椅子デザインの源流となった椅子に始まり、20世紀を中心に各時代、各地域、各デザイン潮流のもとで産み出された名作椅子群、そしてそれらの名作から様々な影響を受け、今なお製造されている椅子までを通覧することで、近代デザイン史を巡ります。

*図版2〜18 凡例 椅子名/デザイナー/製造年[初号] 全て武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵


01_近代椅子デザインの源流


圏椅/不詳/2002[1500年代]


明式家具、ウィンザーチェア、シェーカーチェアと、それらから色濃く影響を受けたハンス・ウェグナーやボーエ・モーエンセン、ジョージ・ナカシマ等による椅子。

現在名作と評されている椅子群のルーツを辿っていくと、その多くが近代以前の椅子に行きつきます。本展の冒頭にて「椅子デザイン史は、リ・デザインの歴史」であることを体感いただきます。(図版2)


02_トーネットとデザイン運動


ウィーンチェア/ミヒャエル・トーネット/1970[1870]


フォルムだけでなく生産や流通の効率まで考慮して製造されたトーネットの《No.14》は、産業革命を象徴する製品と言われています。

その産業革命により機械化、工業化が進んだ19世紀末から20世紀前半の欧州では、変革する社会に適したデザインを模索すべく、様々なデザイン運動が展開され、その思想を色濃く映した椅子が数多く誕生しました。

芸術と産業の関係性を社会全体で探し求めた時代を考えます。(図版3)


03_国際様式と家具デザイン


MR10/ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ/1985[1927]


1920年代から40年代にかけ、建築の領域では装飾や歴史性を廃し万国共通の様式や工法を是とする「国際様式」が台頭します。


建築家自身が建物内のインテリアも全面的に担うことが多かったこの時代に活躍したル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエ、アルヴァ・アアルトなど、国際様式を代表する建築家達による名作椅子を通覧します。(図版4)


04_ミッドセンチュリーと大衆消費社会


DCW/チャールズ・イームズ/1998[1946]


パントンチェア/ヴェルナー・パントン/1990[1968]


20世紀中頃アメリカでは、チャールズ・イームズやエーロ・サーリネンらが第二次世界大戦を契機に開発、発展した新技術や新素材を取り入れ、次々と新しいデザインを世に送り出します。

そしてこれらのデザインは、二つの大戦を経て充実一途にあったアメリカの大衆消費社会の象徴的存在となりました。

新技術と秀でた才能と豊かな市場が整うことで実現したミッドセンチュリーの世界を堪能いただきます。(図版5,6)


05_スカンジナビアンモダン:手仕事と機能性の共存


スワンチェア/アルネ・ヤコブセン/1977 [1958]


No.45/フィン・ユール/1945 [1945]


ピーコックチェア/ハンス・ウェグナー/1994 [1947]


PK22/ポール・ケアホルム/1979[1956]



豊かな自然素材と丁寧な手仕事を重んじる姿勢から産み出される北欧の製品は、シンプルでありながらも温かみをもたらします。

これに加え、北欧では古くよりその製品を使う人の視点、いわば機能性を重視する伝統がありました。

20世紀半ばにアルネ・ヤコブセン、フィン・ユール、ハンス・ウェグナー、ポール・ケアホルムをはじめとする優れた才能により産み出され、今なお世界中から支持されるスカンジナビアンモダンの特長をご覧いただきます。(図版7,8,9,10)


06_イタリアンモダン


メッツァドロ/アッキーレ・カスティリオーニ, ピエル=ジャコモ・カスティリオーニ/1998[1971]


アメリカにおける強い経済力や、北欧における自然素材の豊かさには及ばなくとも、20世紀中旬のイタリアには自由闊達で明るい発想を受け容れる気風と、それを具現化できるメーカーと職人、デザイナーの三者による密接な関係性がありました。

時に機能性が後回しになることがあったとしても、デザイナーによるアイデアが最優先されることで産み出されたオリジナリティ溢れる製品をお楽しみください。(図版11)


07_ポストモダニズムと倉俣史朗


ヨセフ・ホフマンへのオマージュ Vol.2/倉俣史朗/1986[1986]



硝子の椅子/倉俣史朗/1976[1976]



How High the Moon/倉俣史朗/2020[1986]



ウインク/喜多俊之/1998[1980]



1960年代後半から、建築をはじめ文学や哲学など様々な分野において、19世紀以降に構築された近代的な文化や価値観に対して批判的な態度が大きなうねりを見せます。

これに呼応するようにデザイン界においても「スタジオ・アルキミア」や「メンフィス」が登場し、1980年代は一大旋風を巻き起こします。

本パートではこのメンフィスにも参加し、日本のポストモダンを牽引した倉俣史朗による椅子も7脚展示します。(図版12,13,14,15,16)


08_日本の椅子【前期のみ展示】


ラウンジチェア/剣持勇/1972[1960]



古来より床座の習慣があり、住空間において椅子が必要とされなかった日本では、欧米に比べ椅子を利用する歴史も長くなく、また椅子デザインにとって和室との兼ね合いは不可避でありました。

固有の事情により独自の発展と展開を遂げた日本の椅子デザインを見つめ直します。(図版17)


09_フォールディングチェア


BRONX 1010/川上元美/不明[1992]



「腰掛ける」という基本機能に「折りたたむことができる」という機能が加わったフォールディングチェアは、いわば複合機能を有する製品です。

椅子として使用する際のフォルムや強度は当然のことながら、折り畳まれた際のフォルム、運び易さ、重量、さらには折り畳み機構も条件に加わります。

実際に折り畳み、広げ、座っていただきながら、より厳しい要件を満たし製造されたフォールディングチェアの秀作群を体感いただきます。(図版18)


10_みんなの椅子【後期のみ展示】

椅子のデザインといえば、デザイナーばかりが注目されがちですが、本来一脚の椅子の背後には、デザイナーはもちろんのこと、製造、営業、広報、販売、流通等、様々な役割を果たす人々が存在します。

そこで本展の最終章では、国内家具メーカー等にて椅子づくりに携わる本学出身者と、その出身者達が実際に製造に携わっている椅子を紹介します。


◉特設サイト

展覧会に先駆けて、本展の特設サイトを開設します。展覧会情報に加え、椅子の解説動画、椅子に関わる様々な人のインタビューなど多様な動画コンテンツを随時アップロードしていきます。

また椅子の画像と詳細な情報、そしてその関連性や時間的な広がりをユーザーがインタラクティブに体感できるシステムを制作し、オンライン上に展覧会場と地続きの空間を構築します。展覧会終了後もコンテンツを継続して更新し、椅子に携わる人や椅子を大切にする人に利用される椅子のポータルサイトとしての在り方を模索します。

なお、本展で出品される名作椅子群のうち現在も入手可能な椅子については、改めてご案内いたします。


◉本展監修者寺田尚樹氏による椅子解説動画


図版20.椅子解説動画イメージ


本展の企画に合わせ、監修者である寺田尚樹氏が椅子について解説する動画約20本を随時特設サイトにアップロードします。椅子の歴史やデザインについての説明はもとより、椅子への愛着、興味が一層深まるようなエピソードを詰め込んだ動画をご覧ください。


◉関連企画


図版21.ミニチュアチェアイメージ


トークイベント|監修者及び関係者によるトークイベントを複数回開催予定

ワークショップ|「名作椅子をデッサンする」、「キッズプログラム:ミニチュアチェアを作ろう」開催予定

学生作品展示 |本学学生による課題作品を本学内にて展示予定


開催概要

みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ

会期:【前期】2022年7月11日(月)〜8月14日(日)、【後期】9月5日(月)〜10月2日(日)

会場:美術館展⽰室1・2・4・5、アトリウム1・2 他

開館時間:12:00−20:00 土・日曜日、祝日は10:00 - 17:00

休館日:水曜日

入館料:無料

主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館

監修:五十嵐久枝(武蔵野美術大学 造形学部空間演出デザイン学科教授)、寺田尚樹(建築家・デザイナー/株式会社インターオフィス代表取締役社長)

企画協力:株式会社インターオフィス

協力:武蔵野美術⼤学 空間演出デザイン学科研究室、工芸工業デザイン学科研究室

特別協力:島崎信(武蔵野美術大学 名誉教授)

会場構成:IGARASHI DESIGN STUDIO

※新型コロナウイルス感染症の状況により、会期・時間を変更、あるいは予約制を導入する場合があります。ご来館に際しては最新情報をwebサイトでご確認ください。

※前期・後期で一部展示替えがあります。

[同時開催]

「原弘と造型:1920年代の新興美術運動から」



編集後記

~倉俣以前・倉俣以後~


インテリアデザインには、デザイナー一人一人の描く宇宙がある。それは思想であったり記憶であったり、夢であったり、表現の方法はそれぞれ違うものの、創造の楽しさ、という点ではすべて共通するものがある。なかでも「倉俣以前・倉俣以後」という言葉で表現されるほどデザイン界のエポックメーカーでもある倉俣史朗氏の「宇宙」は興味深い。

昭和62年8月頃、倉俣氏のデザインオフィスを訪ねインタビューした時のことをこの機会に改めて振り返ってみたいと思います。(抜粋)


デザイン:倉俣史朗「渋谷西武イッセイミヤケ」


倉俣史朗氏(以下倉俣)

僕はデザインというのは、自分自身を表現する方法だと思ってやっています。ある意味では詩をつくるように、例えば椅子をデザインした時にこれを作ったら売れるだろうというような考えはあまりなくて、まず自分が作りたい、表現したいということから始まりますね。

それが結果としていつか製品化されるということはあっても、最初から商品化する目論みでやるというのは非常に少ないケースです。ですから16年も前にデザインした家具が、やっと一昨年から生産し始めたということもあります。


🐦えっ、そんなこともあるんですか。


倉俣

自分のためというとちょっと大袈裟かもしれませんが、そこからまず考えますし、ある意味では、そのプロセスで自己発見、あるいは自己遭遇みたいなものを期待したい。そういう意味で僕はあまりプロフェッショナルではないかもしれませんね(笑)

あらゆる制約の中で、なおかつ抜きんでるものが作れることが本当の才能だと思うのですが、外国との仕事をしながら反省もしています。


🐦エキスパンドメタル(金網)でつくられた椅子やガラスを組み合わせた作品など、どちらかというと、いままであまりインテリアには見ないような素材を使われていますね。


倉俣

素材でいえばより人工化されたものが好きなんです。


🐦人工化されたものということは?


倉俣

人工素材。例えばガラスだとかプラスチック、メラミン樹脂、金属製のものなど、より人工的な中で出来てきたものです。

自然の分厚い木なども嫌いではないけれど、そういう時間の軌跡や傷跡を感じるような素材は、僕自身あまり興味がありません。人間の行為の跡が見えるような使い方も。

行為が見えるということは時間の経過が見えるということだと思うのですが、なぜかそういう表現や素材に対してあまり興味がない。もっと時間が消えちゃうようなものがいいですよ。


🐦デザイナーの中には自分の創作されたものを残したいとお考えの方も多いと思いますが、倉俣さんの場合はいかがですか。


倉俣

そういう気持ちは全然ないですね。作ってしまったらもう終わり、過去ですから。先ほどの話の16年前の家具も、僕自身にとって興味は全く無いですね。

お金につながることはありがたいことですが、過去というものも振り返ればそれなりに居心地もいいのでしょうが、僕の場合それがあまり気持ちのいいものではない・・・


🐦デザインを考える場合、機能があって次に楽しさ、と考えられがちですが、倉俣さんは機能よりも何よりも最初に自分の表現というか、そういうものを前面に出されるという?


倉俣

そうですね。使い易いということが必ずしも機能的ということではなく、もっとメンタルなもの含んでこそ機能だと思うのです。これまで機能というと、ただ一次元的に便利とか使い易いというだけでずっと来たような気がするんですね。

それに対して僕はちょっと疑問があったし、二十数年前から家具をつくり始め、当時も、面白いが機能的でないとか、合理的でないと言われたのですけれども、むしろ僕はそちら側に本当の合理性とか機能性というのがあるんじゃないかという考えがずっとありました。

必ずしも便利が全てのデザインの要素ではなく、座らないで一日見てしまっていることもあるし、その時その椅子が空間を触発したり、コミュニケーションできたりするというようなことも大事なんじゃないかなと思うんです。


勿論、座って長時間作業をする場合の椅子には、本当に人間工学的な部分が必要だと思うのですが、そういうものに対してもプラスアルファの何か、例えば色の問題など、もっといろんな可能性が求められてもいいのでは、と思うんです。

まあ、どちらにしても僕はあまり真面目じゃないんです(笑い)


約半日に及ぶインタビュー、その後、歩いて15分位のところにあるインテリアデザインを依頼された建築途中の現場にもご案内いただき解説していただきました。(合掌)


本日はさわりのみとなりましたが、機会があれば続きをご紹介できればと思っております。これからデザイナーを目指される方たちのお役に立てれば幸いです・・・


次のこのような機会には「栄久庵憲司氏」のインタビューの様子をご紹介できればと思います。
(天の声:おいおいお前さん!これ迄にそうやって安請け合いして1年先になったことがあったんじゃなかったっけ⁈皆さん余りあてにされないほうが・・・(?_?)まぁ、誰もあてにしてないからいいけどさ…カア~!!!)



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使


協力

紅山子(こうざんし)



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「ソットサスと日本」は下記アーカイブ リンク記事をご覧ください。


ZIPANG-5 TOKIO 2020 ランドスキップ「 庭 =ニハ 」名古屋ショールームを山崎川近くに開設 ~ 桜のプロムナードを背景に 〜 ソットサスの日本感!

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ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
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ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
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ZIPANG-6 TOKIO 2020

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